ため息がでるほど美しい安曇野
安曇野は何度訪れても飽きないところである。
ため息の出るほど美しい山並み。あくまでも冷たく透明な川面。緑豊かな水田。満天の星。真冬のダイヤモンドダスト。
わさび田やちひろ美術館もすばらしいが、むしろ、林の中にひっそりと佇む小さなギャラリーを訪ねたり、静かなカフェで ぼんやりと時をきざんでいたい。
安曇野を愛してやまない人たちの暮らしや息づかいを感じられる。それは彼らと共鳴する心のつながりの糸が 数多くひそんでいるからなのかもしれない。
失われた時を求めての作者マルセル・プルーストはこんな事を書いている。「発見の真の旅路は、新たな土地を探すのではなく、新たな目でものを見ることだ。」
安曇野は お嬢さん、ご婦人方によく似合う。 オシャレをして ふたたび 安曇野にくりだそう。
緑のトンネル山麓線(さんろくせん)
山麓線は松林が多い。常緑樹のため四季を通じて緑のトンネルだ。
標高600mの等高線に沿って、赤松の林が 北は松川村と安曇野市を分ける中房川(なかぶさがわ)から、南は八面大王の足湯があるしゃくなげ線まで 南北 およそ3.5km 広がっている。
それを東西に横切るのは 北から「有明山通り」(安曇追分駅へ)、「中房線」(有明駅へ)、「しゃくなげ線」(穂高駅へ)の3本。
この林の中にあるギャラリーや美術館は 公共・大規模なそれとは異なり 見つけにくいが 静かで それでいて個性的な雰囲気のある場所なのだ。
そこには 上質のカフェやレストランも点在している。
田園から見上げる北アルプス
安曇野は日当たりも良く、台風の被害もほとんど無い。広大な田園は米の産地だ。安曇野米として販売されている。
南北に大町・明科線、高瀬川オリンピック道路、国道147号線、広域農道、山麓線 の5本の道路が走っている。最近 派手な色の のぼり旗 も散見されるようになってきた。
その大きな道路からすこし外れ 田んぼの中の小径に入ると 家屋も電信柱も のぼり旗もない風景が広がる。
安曇野からは常念(じょうねん)岳、有明山、燕(つばくろ)岳はもちろん 鹿島槍ヶ岳、五竜岳、白馬三山も手に取るように見わたせる。
東山からの北アルプス眺望
北アルプスを眺めるなら 池田町の「北アルプス展望美術館」の南に「創造館」という建物の駐車場を目指そう。おすすめなのだ。車で登れる。歩かなくて済む。
創造館の駐車場は標高634m。東京スカイツリーのてっぺんの高さと同じだ。
眼下に 広大な広場 次に ぶどう畑が広がり その下に安曇野のほとんどを占める田んぼと家屋が点在している。
高瀬川を挟んで東西に約2km 合わせると4kmほどの平らな部分が安曇野だ。おそらく世界的にも有数の優れた眺望が楽しめる。
5月上旬の朝 雪をいただいた北アルプスが輝いている景色は それはそれは息を吞む。
時間と共に また季節のうつろいと共に 変化する景色・・自然が織り成す色合いは 滞在してみるとよく分かる。